父と会う

今日は父に会ってきた。
両親は僕が小学五年生の頃に離婚した。
半ば逃げ出すように、母親と共に住んでいたマンションから出て行った。
父が帰ってきたときのショックの大きさは計り知れないと思う。


数年の間は父が分からなかった。
小さい頃から、
「よく怒る父」「酒を飲むと暴れる父」しか見てきていなかったから。
ほんの五年くらい前までは、そのイメージがずっと先行していた。


ここ最近はよく会う。
昔よりも父を理解できてきたから。
あの頃は父も子供にどう接していいのか分からなかったのかな。
それとも単に自分のことしか考えられないような子供だったのかな。


父は何もできない人だと思っていた。
器用貧乏で、僕が小さい頃からいくつも会社を立ち上げ、
つぶしてきたから。
でも人からは好かれていた。
自分の好きなことしかしない人間。


僕と似ている。
どんなに抗おうとしても、僕はこの人の遺伝子を受け継いでいる。