バイト先で…最悪の事態。

 いつものようにバイト先に到着し、座席に座って周知を待つ。
 室長が現場に現われ、いつものように周知が始まるかと思いきや。
 
 「…皆さんに大切なお知らせがあります。驚かないで下さい。」
 
 ほんの少しだけざわついていたブースが、しんと、静まり返る。
 仲間の、室長を見る目も変わる。
 
 「…うちのブースは、来月いっぱいを持って閉鎖となります。」
 
 誰も、何も言わなかった。
 いや、突然すぎて…何も言えなかった。
 
 「もちろん、急な話ですから、再雇用のご案内はきちんとさせて頂きます…。」
 「ただ…ただ…」
 
 室長が声を詰まらせる。
 
 「…このような事態になってしまったのは…結果として…現場責任者である…私の力不足で…」
 
 気がつくと…室長が泣いていた。
 日頃から厳格さとユーモアをうまく使い分け、このブースや、メンバーの気持ちを大切にしてきた室長だから…
 余計に辛いのだろう。このブースの苦楽を、俺や他のメンバーと同じくらい感じてきたはずから、、、
 もらい泣きしそうになったが…なんとか堪えた。
 
 それでも、なんとか周知を終えて。みんなが仕事を始めたけれど。
 現場はちょっとおとなしめに(笑い)。
 
 ビジネスだから、稼動の割に採算が取れないブースは潰すべきだろう。
 頭では分かっていることだけれど、やはりそれだけではない。
 思い出が沢山あった。
 
 
 ここに就いたのは…去年の2月からだった。
 とりあえずしばらくいるつもりだったはずの場所で…気がついたら3位になってしまい。
 今俺が使っているRio Carbonもそのときの賞品で貰った。
 そして今の場所に異動してから・・・なんだかんだ言いながらも(当時の日記参照のこと)
 変わらず頑張ることができたのは。
 環境にこだわっている俺が言うのもおかしな話だが、本当にいろいろな人がいて、
 自分のスキルを伸ばすこともできて、気がついたら自分の周りに色々なものができていたから。
 それは、例えばトーク力であったり、場の雰囲気をより読む力であったり、
 元キャッチとかダンサーとか・・・声掛けと同じように、普通に生活しているだけでは知り合えない人に出会った事とか。
 色々ある。
 社員になれって言われたのも嬉しかったしね?(笑)
 
 で、俺は社員にまだなれるらしい。
 うーん。
 またもや、人生の岐路に立たされたよ。