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Hさんへ。
本日バイト先で、昨年の夏にあなたが亡くなった事を聞いて、とても驚きました。
しかも、自ら命を絶った、という事実は、自分にとってまったく信じられないものでした。
はじめてバイト先に配属されたとき、とても親切に仕事の内容を教えてくれて、
その後も僕が馴染みやすいように色々な配慮をしてくださったこと。
何より、同じ男性として、外見、立ち居振る舞い、発言、物腰の柔らかさなど、
見習うべき点が多々ありました。
僕が子供のように騒ぎ立てながら話をしていても、あなたは落ち着いて、
静かに頷いて聞いてくれていましたね?
一緒に仕事をしたのはほんの短い間でしたが、あの頃の僕にとっても、
今の僕にとっても、そんなあなたは僕の中で尊敬に値する方でした。
つい最近、夢の中でバイト先の光景が出てきて、その中には、当然Hさんもいたし、
他の人たちとも楽しく過ごしている、そんな光景が広がっていました。
きっと元気で暮らしているんだろう、そう思って過ごしていた矢先に聞いた事実なだけに、
僕は未だにそれが信じられません。
でも、受け入れないといけないんでしょうね。
慎んで、ご冥福をお祈りいたします。
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バイト先の人が亡くなっていた。
お台場でデモをした帰り道、友人と昔のバイト先に足を運んで、
いつものように社員さんや昔一緒だった人と話をしていた。
その人に、「その事実」を聞いた。
8秒くらいだったろうか。
僕は言葉を失った。
さらに理由を聞いた僕は、呆然としていた。
相手はバイト中だったので、その場はニュートラルに戻して立ち去ったけど。
帰り際、頭の中ではHさんの言葉や行動がずっと浮かんでいた。
話の聞き方、気遣いや立ち居振る舞いについて、Hさんから学ぶ事が多々あった。
子供だった俺の話をしっかり聞いてくれて、丁寧にアドバイスをしてくれた。
本当に嬉しかった。
理由を聞いて、思い当たる節もあった。
すごく、すごく、優しい人だったから。
もう、絶対に会えないんだ。
辛い。
なんでなんだろうね。
その日僕は、Hさんのためにも、頑張って生きようと思い直した。