小さな嘘で世界が振り向くのなら嘘吐きになろう。

 僕が何故満ち足りないか分かりますか。それはきっと、あなたと共にいるからです。僕の心を理解してくれるあなたが、横にいるから、僕は決して満ち足りません。あなたは僕のもの、と自覚しているのかもしれないけれど、アナタは決して僕には帰属しないからです。あなたには帰る家があるからです。あなたに帰らないで、なんて何故言える。あなたに来て欲しい、なんて何故言える。叶わない願いをどれだけ願ったとしても、叶わないことに変わりは無くて。でもあなたを消すこともまた僕の心をすり減らすことに繋がるから、決して僕はそんな事はしない。アナタの目の前では普通の僕を演じているけれど、あなたが近くなればなるほどに、僕はあなたが欲しくなり、アナタは決して僕に帰属することは無い、と言う現実を思い知らされる。でも好き。