Sかとの別れ・again

またか、とか言わないで下さい。
 
きっかけはバイト先の忘年会だった。
まず、俺はSかに忘年会があることを伝えていなかった。
伝えなくてもいいと思っていたし、(←今にして思えばこの考え方は良くない)
大して長居するわけでもなかったので、
帰宅してからゆっくり電話やメールをすればいいと思っていた。
 
忘年会が終わりに近づいた9時半頃。
Sかからいつものように電話が鳴る。
俺はSかが9時にバイトを終える事を知っていたので、
あらかじめ「お疲れ様」のメールを送っていた。
 
電話に出る。
「もしもし?お疲れ様。」
「Sin、今終わったよー何してんの?何か騒がしいね。」
居酒屋の喧騒が聞こえるようだ。
「ていうか女の子の声してない?何してんの?」
「いや、忘年会だけど…。」
「はぁ?なんで忘年会なんて行ってんの?ていうか女の子いるんでしょ?」
「いるけど別に何も無いし、もう終わるからすぐ帰るよ。」
「もういいよ。ていうかSinが女の子と一緒にいるの嫌がるの知ってるでしょ?あたしまっすぐ帰るわ」
電話は一方的に切られた。
”どうせ夜にでも機嫌を直して電話くれるかな”、と思い、折り返さなかった。
 
案の定、夜中の3時に電話がかかってきた。
「Sin、何してる??」
「いや、起きてたけど…。ていうかまだ怒ってる?」
「いや、怒ってないよ。呆れただけ。あたしさ、バイト終わって、電波良くなるところに真っ先に移動して、Sinに電話したんだよ、早く声聞きたくてさ。それなのにSinは忘年会とか言ってるし、百歩ゆずって忘年会に行ってもいいけど、女の子と一緒に普通に喋ってるわけでしょ?Sinはあたしと元彼がメールするのとか嫌がるくせに、なんであたしが嫌がるような事は平気でするの?」
「付き合いだから仕方ないよ。それに俺がどれだけSかの事を好きか分かってるでしょ?」
「そんなの信じられない。いつもSinはそう。残業をしてあたしを長い間待たせたり、女友達なんて大していないなんて言うくせに早稲田祭の時も知り合いの子に声かけられていたし、いくら大学の授業とかサークルの繋がりでも、あたしは好きな人が女の子と一緒にいるのがイヤなの。Sinがあたしのことを好きって言ってくれて、ようやく仲直りも出来たと思えてきたし、すごくいい気分で毎日を過ごしていたのに、今日のでまた落ちたよ。ていうかかなり嫌いになった。」
「1つ聞くけど、うちら付き合ってないのになんでそこまで束縛されないといけないの?」
 
これがヤブヘビだった。
分かってもらおうとしても結局分かってくれないんだよね。
 
「Sinだって元彼のこととやかく言うでしょ?なんであたしが言ってはいけないの?」
「俺、確かに元彼とメールするのはイヤだけど、俺が妬いてても実際Sかだってメール止めてないじゃん。」
「でもそれ以上にSinはあたしを裏切りすぎてる。ていうか誠実に思えない。コトバと行動が伴ってない。あたしのこと大事にするとか言いながら、結局今日だって女の子と話していたわけでしょ?あたしはすごく嫉妬心が強いからそういうのかなりイヤだし、電話帳のメモリも女の子の名前は全部消させるし、女の子とも一切話させないし、少なくとも元彼はそうしてた!」
また元彼と比較かよ、と思いつつ話す。
ていうか元彼が俺と同年代になって付き合いでいろんな人と話すようになっても、
そこまで束縛するの?ていうか現実考えたら無理じゃない?とか思いながらも口には出さず。
「元彼さんだってどこかで我慢してるかもしれないじゃん。」
チェックメイト。Sかの本キレが始まる。
「は、あんたにあたしの元彼の何が分かるの?ていうか、もうSinと合わないから話かけないで、もうヤだ。」
「またそうやって俺がどこまで執着するか試すわけ?」
さらにヤブヘビ。
「は、何その発想、つーかいい、もうSinと話しているとイライラするし、Sinはあたしと合わないし、もういいよ。あたしからも連絡取らないから、もう連絡してこないで。なんやらかんやら」
グダグダ言い出したので電話を切る。

やがてメールが来る。
「来年の文化祭に来ないでね、顔見たくないから。」
 
そしてメールは通じなくなった。着信拒否。
今度はまた元彼と会ってるんだろうな。
なんでこうなるんだろ。
 
俺も声が聞けなくなってまたショックを受けてます。
超ヘコんだ。
些細な事で縁が切れるのは本当にイヤだ。
また戻ってきてくれるといいけど。
そんなヘコんだ矢先、バイト先でミスドのカードをもらった。
これで今Sかがいれば二人でドーナツを食べに行って、あいつの笑顔がたくさん見られたのに。
そう考えてますますヘコんだ。
Sかのバイト先に行こうとしたけど半ストーカーなんで躊躇。はぁ。