女子高生はなぜイヤホンを変えるのか

なんだか流行に乗れ遅れていると言われそうだけど。

ぼくが高校生の頃から、常々疑問に思っていたことがある。

それは、女子高生が持ち歩いているMDプレーヤーやCDプレーヤーの
ヘッドホンが、付属のものではなく、
別のものに取り替えられているのだ。
しかも決まって、透明のラインで、中の青と赤の銅線が見えるやつなのだ。
つい2年前にも同じ事を考えてて、
思い切って当時付き合っていた彼女さんに聞いたことがある。
そうしたらその彼女さんは、
「うーん、どうしてだろうねー。でもなんか可愛くない?」
と言い、それで終えてしまった。

昨日千代田線を乗っているときに、
偶然また女子高生がヘッドフォンを取り替えているのを見かけてこの文章を書いているんだけど。
やっぱり取り替えられていて、透明のラインなんだよねー。
最初に付いてくる黒のヘッドフォンがなんとなく無骨で、
可愛くないことは認める。
ただ、そこで透明のラインのものを選ぶ理由がわからない。
今は色々な形や色のヘッドフォンもあるし、
ライン部分にこだわらなくても、デザインがおしゃれなヘッドフォンは溢れている。
で、どうして透明なんだろう、とずっと考えていたら、
女子高生には「見せたい」っていう欲求が強いんじゃないかな、って思えてきた。
例えば、女子高生が履いているスカート。
あれって、わざわざ膝上まで短くする必要はない。
でも、彼女たちは「可愛い」の一言でスカートを折り込んで短くしている。
でも潜在的な発想として、「見せたい」って思っている気がする。
それは自分の綺麗で細い足を見せたいのかもしれないし、
飢えている女の子は自分の下着を見せびらかしたいのかもしれない。
ありえないけど。
夏には"見せブラ"が流行していて、
実際にしている子に対してインタビューをしていた。
彼女たちは見えてもいい下着をつけているって言っていたけれど、
その後のインタビューの中で、
「見えてもいいし、可愛い柄なら見せたい、自慢したい」
(これはあくまでも同姓に対してであって、異性にということではないようだけど)
なんて発想がある事を話していて、いやはやって思ったり。

でもそう思うと色々とつじつまが合ってくる。
自己顕示欲が強いって考えると、
プリクラの写真も街角のゲーセンにペタペタ貼って残したり、
写真に色々落書きをしてアルバムや手帳に入れておいて、
友達と交換してお互い見せ合ったり、携帯にシールやペイントを施して持ち歩くこと、
ぜーんぶ、「見せたい」ってことにつながる。

もっと言うと、「自分はここにいる」っていうアピールにも思える。
自分が存在することの証明。
それが写真であり、オリジナリティあふれる携帯でもあり、メイクである。
センター街にいるセンターGUYも似たようなものかな?(一行で書くとなんか間抜けだね)
人があふれかえる中で、少しでも注視して欲しい。あるいは目立ちたい!という欲求から、
彼らは奇抜なメイクを施して過ごしていくんだな、と。

で、そのつながりで思い出したんだけど、
ヤマンバメイクが流行した頃にも、やっぱりテレビのリポーターが彼女たちに質問していた。
「どうしてそんなメイクをするの?」
「可愛いから」
またもやそのフレーズで片付けられて、リポーターの人はかなり困惑したみたいだったけれど。
竹馬みたいな靴に乗って、顔を白くあるいは黒く塗ってなまはげのように変貌しても、
彼女たちは見つめて欲しいと考えている。
「顔を見てくるな、うちらの中身を見ろ!」、と。