バニラアイスについて

アイスといえば、バニラ。
定番として長い間親しまれているけど、
もしこの味が無かったら、あるいは大して人気が無く廃れていったとしたら、
何の味が定番になるのかな、って考えてみた。
パッと思いつくアイスの味って、
・チョコレート
・ストロベリー
・ミント
このぐらいで、他の味はこれにチョコチップが加えられたり、
他にもトッピングが加えられているだけで、あまり代わり映えがしない。
そうなると最低、上の3つが"定番"の候補になる。
ところが幾度眺めてみても、どれも定番になりそうにない。
バニラあってのチョコであり、ストロベリーであり、ミントなのだ。
バニラを日常的に食べるからこそ、たまに他の味が欲しくなる。

そう考えると、バニラアイスを最初に生み出した人はすごく偉いわけだ。
ぼく自身バニラアイスの作り方は詳しく知らないし、
ネットで調べる気も起きないんだけど、
卵と牛乳と砂糖から作られる氷の食べ物の中に、
バニラエッセンスを加えて香付けをしよう、という
発想がなければ永遠にバニラは生まれなかったのです。
いずれ誰かが生み出したとしても、
その時は今ほどアイスは取り上げられていなかったかもしれない。

池袋のナンジャタウンの中に、「アイスクリーム博物館」というセクションがある。
ここでは古今東西のさまざまなアイスを集めて、一挙公開している。
去年の11月にも行ったけどすごく楽しかった。
トルコ風アイスもあれば、揚げパンの中にアイスを挟み込んだ、
変り種のようなアイスもあるのだけれど、
たぶんチョコ味じゃぁキツいな、っていうものが多い。
地方名物の材料を加えた地域限定のアイスもあるけれど、
それもやっぱりベースはバニラアイス。
薔薇のエッセンスを加えたチョコアイスなんて、
バニラに同じエッセンスを加えたものと比べれば、
断然バニラのほうがそのエッセンスによる香りがはっきりするわけです。

コンビニのアイス売り場でも、バニラアイスの新製品がひっきりなしに発売されるのは、
やはりバニラがアイスの定番であり、どれほど他のアイスを突き詰めたとしても、
現在走っているサラブレッドが3匹の馬に帰結するのと同じように、
バニラに帰結するからなんだろうな、と思う。