岡山から京都へ。

岡山・湯原温泉街では4泊5日滞在した。
朝起きて、温泉にゆったり入って食事をし、のんびりとした環境に囲まれた生活をするのも今日が最後だ。
湯原温泉を発った後、俺は大阪の阪南中央病院という、皮膚炎関連で有名な病院への立寄と、紅葉の季節を迎えていることもあって京都の観光を予定していた。
湯原温泉から関西方面へは高速バスの路線が設けられており、岡山駅を経由することなく、関西方面へ3時間強で移動できる(^^)
ちなみに、津山駅から西新宿方面への高速バス路線も設けられており、この高速バスに乗れば非常に簡単にこの温泉郷にたどり着くことができる。これは湯原温泉の居酒屋のおばちゃんに教わった。(笑)
そんなわけで朝6時に起床。荷物を整理して、温泉に入る。露天風呂から見える湯原の自然とも今日が最後と思うと妙に寂しい心持ちになる。
 
7時22分バス停着の高速バスを霧がかった温泉街のバス停で待つ。しばらくすると、近隣の中学生もしくは高校生がバス停に並びだす。田舎の子は朝が早い…。携帯電話で話しながら、友達数人が来るのを待っているようだった。こんなに朝が早いわけだから、夕方の路線バスに乗っている学生がみんな眠っているのは頷ける。
 
到着した高速バスに乗り込む。朝日が差し込んできて思うように眠ることができない。開き直って日光を浴び、岡山から大阪までの自然を目に焼き付けていた。
 
10時過ぎに大阪は難波駅に到着した。初めて降り立つ大阪の地に、ワクワクする気持ちが止まらない。真新しい駅ビルに御堂筋線の地下鉄の古びた雰囲気が混在していたり、東京では目にすることのない食べ物屋が地下街に溢れている。

難波駅から御堂筋線天王寺へ。天王寺からは近鉄南大阪線を使って布忍駅へ。
布忍駅から阪南中央病院までは歩いて7分程度。

阪南中央病院では、湯原で過ごしていた頃に知り合った人に会いに行った。
皮膚炎の症状の経過や、この病院での治療方法について尋ねることが目的だった。この病院の治療方法は独特で、入浴や水分補給を制限して皮膚を強くする『脱保湿』という方法を採用している。
これについてはあれこれ書きすぎると相当長くなってしまうため割愛。(笑)
皮膚炎の治療のために入院している人は30数名程度。どの人もそれなりに症状が重く、あちこちの病院を転々とした結果,藁にもすがる想いでこの病院に入院してきた人も少なくない、という。
なかでも目にして辛かったのは、小児アトピーの子ども達だ。自分が抱えている皮膚炎とはまったく別次元の症状の重さだ。幼い子ども達がなぜこのような病気にかかってしまうのか、そして子ども達に向き合っているであろう母親の方とお話をしたときは何とも言えず、ただ笑顔で話し、治っていくことを切に願うしかできなかった。
 
布忍を後にした後は天王寺経由で新大阪駅に向かうつもりだったが、ご当地のラーメンを食べたくなったため、ラーメンDBで検索した店に向かう。中津の『弥七』というお店。平日の昼間であるにもかかわらず10数名の行列ができていた。
待つこと30分。店内に入ってラーメンを食べた。
 
中津を後にして新大阪駅へ、そして京都へ。

久しぶりに胸に吸い込む京都の空気。
久しぶりに目にする京都タワー
”ただいま。”気持ちを心の中で小さくつぶやく。
 
早朝から移動続きで疲れていたので、京都駅からはタクシーに乗り込んでホテルへ向かう。
今回宿泊するホテルは、安藤美冬さんがメールマガジンの中で紹介していた「ANTEROOM KYOTO」。
詳細はリンク先を見て欲しいのだけれど、お洒落なたたずまいで、ロビーの雰囲気はカフェを訪れたかのような感覚になる。
早々にチェックインを住ませ、休憩がてら40分ほどひと眠り。
 
京都の友達とは17時に会う約束をしていた。
再び京都駅に戻り、待ち合わせ、そして合流。
久しぶりに再会した友達は髪の長さが随分と変わっていたけれど、それもまた良し。ふたりで市バスに乗り込み、永観堂へと向かう。
紅葉の季節にさしかかっているからか、市バスの中は随分と混雑している。
 
永観堂着。ずいぶんと寒い。
ライトアップされている境内にテンションが上がる!
写真を撮る人が続々。(笑)
 
境内をゆっくりと歩く。
凛とした冷たい外気、それらがつくり出す、澄みきった雰囲気。
歩いていくたびに気持ちがどんどん落ち着いていって、自分が、世界のなかで一人きりになって佇んでいるような心持ちになっていく。
 
屋台で甘酒が売られていたが、スルーして普通に緑茶を買った。
これが…めちゃくちゃ熱い。笑
寒いからヒーターの温度を上げたと屋台の主人は笑って言っていたけれど、厚手のコートの生地で掴んでも熱さが伝わってくるほど。
市バスの待ち時間の間、バス停でゆっくりと飲んで過ごした。
 
市バスに再び乗り込んで青蓮院へと移動。
青蓮院ではライトアップが絶賛開催中。
しかし、ここも寒い。笑
お寺で暮らしている人たちのことを思うと心から尊敬する。
暖房器具も、火鉢くらいあるのかと思いきやまったく無い。エアコンなんてもちろん無い。
そんなお寺のなかをゆっくり歩いて、庭に用意されているライトアップを眺める。暗闇の中でほのかに点滅を繰り返す青い光を見つめていると、六本木ミッドタウンのイルミネーション、似ているなあと思いだす。
竹林へと歩みを進める。
 
白い光と竹林の色が混じり合って、薄青い色をたたえていた。
しばらく眺めていた。
 
さすがに気温が下がって冷えてきたので、切り上げる。
青蓮院近くの料亭に入って、夕飯を食べた。鍋。冷えきった身体が暖まっていくかと思いきや、店の中に冷気が入り込んできて寒い(笑)。
 
食事をしながら、ふたりで色々と話した。
この子と話すのは気楽で良い。お互い、自分たちに何が起きたのかを知っているし、だからこそ言えることが結構あって。ありがたい。
 
食事をした後は、京都駅まで戻ってバイバイ。
雨が降り出してきたので、再びタクシーに乗り込んで、アンテルームまで戻り、就寝。