寂しがりやの恋

ここのところ、恋人はなかなか眠れない様子。
理由はよくわからないけれど、最近行われた人事異動の影響が大きいみたい。

会社にいる以上、社内異動は避けられないもの。
かく言う自分も数年前に社内異動でかなりのストレスを感じた経験がある。(そのあたりの心境は当時の日記を参照してみてください)
異動当初は以前の部署に戻りたくて仕方がなかった。3ヶ月が過ぎて慣れてきた頃に多少面白みも感じたけれど、やはり相変わらず異動したくてたまなかった。結局、半年が経った頃に何かを諦めてその部署の仕事を取り組むように気持ちを入れ替えた。その頃から体調も悪くなり始めたので、何らかのストレスを抱えながら仕事をしていたのだろう、と思う。

  • -

今の時代、多様な働き方の提唱、そして「好きなことを仕事に」という風潮が高まっている。
クラウドソーシングやリモートワークなど、ユーザー同士が顔を合わせることなく、もしくはネット上のツールを用いて、ミーティングや作業を遠隔地の相手と簡単に行えるようになった。(自分が関わっている会社での打ち合わせも、イギリスと日本、沖縄と日本など複数の地域をまたがって行うことがあります)
ただ、身の回りを見ていると、そうした働き方が実現できるのはほんの一握りの人であるように見受けられる。所属している組織を抜けても通用するスキル、たとえばプログラミング、デザイン、文書作成、マーケティングなど、専門的な知識を持つ人間だけが実現できる。
 
一方でそうしたスキルが必要であるにも関わらず、自由な働き方を煽る人、サービスは増えつつある。誰でも気軽に、自由な時間、空間の下に働ける、
そう誤解されかねないくらい、働き方の変革を声高に叫ぶ。
こうなると、自由な働き方の提唱はひとつのムーブメントでしかなく、そのムーブメントを通して組織に所属する素質の無い人間を掃き出そうとしているようにも思えてくる。
 
でも、自由になったら、本当に様々なストレスから解放されるのか?というと、それは違う。
組織を離れたことによる孤立感、孤独感の発生、収入の低下、営業力の低下、金銭面の信用力の低下、事務処理の負担増など、新たなストレスと隣り合わせになる。
独立してスタートアップを興した人をコワーキングスペースで何人も見てきたけれど、10時から24時過ぎまでスペースにいることがザラだった。結局は、自分でしなければならないことが増えてそれらに時間を割かなければならなくなる、というのが実のところ。
それでも、自分で新しい世界を切り開いている姿は楽しそうではあるけれど、白鳥のように水面下では足をかいているのだ。

どういう夢を持っているのか。
その夢は、何を成せば実現できるのか。

自分の心の中に、その答えがあってこそ、どういう働き方が自分に必要なのかが見えてくるはず。