映画鑑賞:「少年H」@吉祥寺プラザ


風立ちぬ」を観ようとも思ったけれど、やはりこちらへ足が向いてしまった。
「少年H」は、自分にとってちょっとした思い出のある作品だ。理由は、15年〜16年ほど遡ることになるけれど、当時NHK-FMの「青春アドベンチャー」内でラジオドラマが放送されており、それを何のきっかけかはわからないが聴いていて、しかもそのタイミングで文庫本も購入していたというハマり様。
ただ、物語の内容はすっかり忘れていて、映画を観るのには差し支えることがなかったため、新鮮な気持ちで観られた。
で、見終えてからかれこれ数時間ほど感想や胸に落ちてきた印象を拾い集めて言葉に変換しようとしているのだけれど、『どうして戦争って起きたのだろう』『日本人はなぜ大勢順応主義から脱却できないのだろう』という月並みな言葉しか思いつくことができない。それだけ、当時の戦争は国家主導で国民を洗脳したイベントであり、それに多くの人が抗えず、従うしかなかったということなのかも知れない。
映画の全体を通じて、家族愛が温もりあるタッチで描かれているので、観ていてホロリとさせられるし、肇役の男の子の演技が光っていたと思う。あと、Hの住む街のセットが精巧で、空襲前、後、どちらもリアル。それだけでも観る価値はあると思う。