R子とデート in 吉祥寺

 彼女さんと土日を過ごした後の今日、月曜日。俺はバイトが無い。
 朝早く彼女さんの地元を出発し、新宿駅に着いたところでR子に電話をする。
 「おはよう。」
 「おはよ〜。」
 最近ちょくちょくと電話をしていたので、R子の声は多少聞き慣れていた。相変わらず、女の子っぽい、フワフワとした声で話し掛けてくれる。
 R子を俺のバイト先に来ないか?と誘っていた。バイト先にはすぐにバイトを始められるように話を通してあるので、後はR子のシフト次第で勤務できるかどうかが決まるのだが…。
 「落ちたよ(笑)。」
 というわけで、もとから決まっていた場所で、少しの間だけど一緒に勤務をすることになった。そんな話をして。
 「今日は暇?」
 「うん、特に何も無いよ?あ、そうだ、あたしウィルコムが欲しいんだけど、安いお店知ってる?」



 午後1時。お互い予定が無かった俺たち二人は、吉祥寺で待ち合わせをすることにした。
吉祥寺なら一軒ぐらい安いお店があるんじゃないか?って事で。新宿はごちゃごちゃしていてお互い行く気分ではなかったので、という理由もある(笑)。
 「久しぶり〜」
 顔を見ると…あれ、ちょっと太ったかな?(笑)。春休みだったから幾分ぽっちゃりした感じになっていたが…少し時間が経つといつもと変わらないようにも思えた(笑)。電車に揺られながら、最近起こったことをお互い話していく。
 井の頭線の沿線の桜は少しづつ葉桜が混じり始めている。薄いピンクの花びらの中に、生き生きとした緑の葉が彩りを加えている。桜を見たかったね?と話しながら、吉祥寺へ到着。
 
 お目当てのウィルコムは、数軒回っただけで安い店が見つかったので購入手続きを済ませて吉祥寺をぶらぶら。今日はさすがに某アルファベットのカフェは行けなかった(笑)。
 R子の周りでは最近ウィルコムが流行っているらしい。つーか最近町中でもダブルホルダーを見かけるようになって不思議な感じ。定額通話の恩恵を受けている人が少しづつ増えてきたのかな?
 イタトマJrでケーキ→ヴィレッジヴァンガード啓文堂書店サンマルクカフェでお茶のコース。イタトマのケーキが何故かとても美味しかった。
 
 食べながらR子と話す。
 相変わらず・・・目標に向かって努力している。その姿がたまらなく格好良く見えた。俺が大して何も頑張っていないからかな?自分自身、同年代の人と何か違うことをしているという意識はある。でも誇れる物もあるからやっていけるんだけどね…。
 「俺がダメなままならR子は離れていきそうだから、そうならないように、そして自分のためにも頑張れるんだよ」と言ったら、ちょっと嬉しそうな顔をしていた。
 成長したいと思う。誰の為でもない、自分自身それが必要だと感じているし、環境を少しづつ変化させて自分のスキルに磨きを掛けていかないと同年代の新卒社会人には差をつけられないだろうから…サラリーマンになるわけではないけれど、10年後誰かと再会を果たした時に誇れる自分でありたいと思っている。
 R子は恋愛なんて必要ないと言う。
 「彼氏に会う時間を作れるみんながうらやましい。そもそもそんなに好きでいられるのがうらやましい…。」
 恋に恋している同年代の友人が不思議でたまらないのかな。恋愛を活力源としている自分にとっても興味深い発言だった。
 
 お茶をした後雑貨なども見て回って本屋で時間を過ごした。
 R子おすすめの桐野夏生の「OUT」を購入。

OUT 下 (講談社文庫 き 32-4)

OUT 下 (講談社文庫 き 32-4)

 夕方、R子と電車に乗って帰路に着く。今日も手を繋ぐ事は無かった。。。というか雨のせいで繋げない(笑)。

 「またバイトで会おうね♪」

 そう言うR子を見送り、俺は疲れた身体を引きずって家へ到着しました、とさ。